36ーa 補足

投稿日 : 2021.11.08


電子の軌道を半径rの円として、磁場Hと電子との相互作用によって発生するローレンツ力fがトルクを生む様子を上の図で示します。Lorentzforce.jpg

今軌道の赤で示した孤の部分が非常に短いとして、その部分には、電子の電荷-eを円周2πrで割った電荷-δeがあると考えます。また、その微小な電荷に働くローレンツ力をδfとすれば、次のように表されます。equation(338).png 同じ強さの力が左側の青で示した弧の部分にも働きますが、方向が右側とは逆なので偶力が発生してトルクは次の式で表されます。equation(339).png 

ここで、赤の弧の長さをπr倍(右側半分の演習の長さ)し、全電荷は-δeの円周の長さ(2πr)倍とですから、全体のトルクは次の式で表されます。equation(349).png

ここでヤコビの恒等式という3つのベクトルの直積についての公式、equation(340).png を使いますと、次のようになります。equation(341).png 

これを使ってトルクを書き直すと、equation(343).pngとなります。

ここで角運動量を使ってさらに書き直せば、次のようになります。equation(345).png 

したがって、e9cf7f0a3282461c79730433e0d0a58e442900ce.pngと比べると、磁気モーメントがba7d2b19078ba1cfd1df12166caae96af6523046.pngであることがわかります。ここでeは素電荷でプラスの値の量です。