序文

投稿日 : 2024.10.13


わが国を振り返ってみるとき、学問の進歩によって医療環境がよくなっていることが少なくないものの、こと育児の知識はといえば、まだまだ遅れているという感があります。

私たち小児科医はこの点を意識すべきです。

私たちは単に子供を診察して病気を治す責務だけでなく、世の中の幸せのために育児の仕方を人々に指導することもまた私たちの責務です。

もとより自分がその器であるとは思えませんが、新しい医学を勉強し育児も積極的に研究して、時代に取り残されないようにしなければと思っています。

子供の病気を未然に防ぎ、子供が心身ともに自然に健康を保ち完全に成長するようにするためには、育児法の普及がなによりも重要であると自分は考えています。

そこで力不足とはいえ、医科大学の第一医院の小児科教室に勤務しているときに弘田教授から教わったことや、最新の医学情報をもとに、自分が長年開業医としてえた経験を加えて、育児法の要点をこの冊子にまとめ、弘田先生の校閲を経て、『育児の心得』として上梓しました。

これが広く世の女性やお母さん方の参考になればと願っています。