13.乳児の栄養について

投稿日 : 2024.10.15


乳児の栄養として、母乳の場合は天然栄養法といい、獣(牛、ロバ、羊)または穀物の(すりのこ)の類を使う方法を人工栄養法といいます。

ここで乳児のために忘れてはならないことは、これらの方法の内、まずは天然栄養法を用いなければならないことです。

母親が妊娠すると同時に乳房が大きくなり、分娩後には乳が溢れ出ます。これは天がその母にその乳によってその子を育てよと命じているとてもありがたい賜物です。

しかし、事情によってはその母の乳を吸わせてはならない場合があり、その時は、乳母の乳を飲ませまょう。それもできない場合に限って獣の乳を飲ませることになります。

ところが、母乳より牛乳で育てる方がよいと誤解する人が沢山います。これは大間違いです。というのは、母乳で育てた赤ちゃんに比べると、牛乳で育った場合、生後1 か月ですでに発育が悪くなり、胃腸病にかかりやすく、また病気にかかると早く衰弱します。

例えばスウェーデンやノールウェーでは母乳で育てますが、この両国の小児の死亡は100 人に対して10 人か12 人です。しかし、牛乳や穀物の紛の汁で育てるドイツのバイエルンやヴュルテンベルクの小児は、100 人中85 人が死亡するそうで恐ろしく違います。

わが国では幸い母乳で育てる習わしがあるのでとても幸いなことです。しかし、先ほどのような誤解があれば、その内大変な問題が起きるかもしれません。

もし、乳母の乳が不足して困る場合には、昼間に牛乳を飲まし、夜に乳を飲ましましょう。新生児に穀物の粉汁で育てるのは止めましょう。新生児には澱粉を消化する能力が完全でないからです。