30.小児の病気について

投稿日 : 2024.10.16


小児の病気も、大人と同様にさまざまなものがあります。
ここでは、最も注意すべきものだけを述べます。

小児は病気にかかっても、どの部分が痛いのか、どのように手当てをすれば苦しみが軽減されるのかなどはわかりませんし、自己表現も十分にできません。ですから、父母や保護者は常に注意を怠らず、元気なときでも風呂で身体の様子を確認しましょう。

重篤な病気を見逃すこともありますので、以下の点に注意しましょう。

1)機嫌が悪いときは、身体に不快感を感じている可能性があります。

2)顔つきがいつもと違い、疲れて見える、痛がっている、何かに怯えている、非常に驚いている、ぼんやりしている、落ち込んでいる、または無表情であるなどの兆候は病気のサインです。

3)泣くことは教育の問題である場合もありますが、身体のどこかに痛みがある、嫌な感じがする、または空腹を訴えている可能性もあります。

4)言葉(声)が変わる、声がかれている、声が出ない場合は咽頭に異常があるかもしれません。また、意味不明な言葉を発する場合は脳の問題が考えられます。

5)静かに眠れない場合、身体に不具合があるか、腹部、胸部、または脳に異常がある可能性があります。

6)目が血走って涙を流すことがあります。斜視や近視になることもあります。健康な子どもの目は、通常、明るく光沢があります。

7)皮膚にも注意を払いましょう。皮膚が黄色くなる(黄疸)、貧血で蒼白になる、または紫色になる、腫れるといった症状は病気の兆候です。

8)口の中に白い苔や異常なできものができ、乳を飲むことができなくなることがあります。また、唇が紫色になることも病気の兆候です。

9)熱が出た場合、口の中や額、身体、手足も熱くなります。小児の体温は大人とほぼ同じで、37.5度以上で発熱と考えられます。

10)吐き気や下痢は、胃腸の病気や脳の病気の兆候です。吐いたものをよく観察し、不消化なものや異常なものがないか、便の色に変化がないか(青、赤、黒)、粘液や寄生虫がないかに注意しましょう。

11)呼吸の仕方にも注意しましょう。呼吸器の病気はさまざまで、病気によって症状も異なります。

12)咳は呼吸器の病気によって出ます。犬の吠えるような深い咳は、仮性クループやジフテリアで見られることがあります。強い咳に吸引音が伴う場合は百日咳が疑われます。

13)鼻は小児にとって非常に重要です。鼻が詰まると、乳を飲むことができなくなったり、呼吸ができなくなったりします。

14)耳の中から膿が出て腫れ物ができることもあります。

15)尿の量や色の変化にも注意しましょう。頻繁に尿が出る、または尿が出なくなる、色に異常がある場合は病気の兆候です。

16)泉門が高く張るのは脳の病気の兆候です。逆に、泉門が極端に窪んでいる場合は、体力の低下や衰弱の兆候かもしれません。

17)喉の状態も観察しましょう。喉が腫れていないか、白いものが付いていないか確認します。ジフテリアでは白い偽膜が見られます。

18)腋や股にかぶれができないように注意しましょう。

19)歩き方にも注意が必要です。股関節脱臼などの重い病気では、初期には少しびっこを引きながら歩き、徐々に症状が悪化することがあります。