32.新生児の病気
投稿日 : 2024.10.16
1)生後3~4日の新生児の肌が黄色になることがあります。
これは新生児黄疸といって、生後に血液が変化したために起きるものです。大抵は8日から2週間で消えるものです。しかし、何時まで経っても消えないと時や、大便が白いときにはさっそく医者の診察を受けましょう。
2)へそに出血やただれや腫れがあれば、すぐに医者の治療を受けなくてはなりません。これからいろいろな病気が起きます。
3)生後1週間のころ、膿漏性結膜炎といって膿の出る怖い目の病気になることがあります。これは分娩時の不潔なものが目に入ったことで起きるものです。特に淋病に罹っている婦人は特に注意が要ります。産湯の時には必ず、清潔な湯で、丁寧に洗っておくことが肝要です。この病気を防ぐには、産湯の時に目に硝酸銀水を一滴落としてから硼酸水に洗っておくことです。
4)口の中に白い苔が出ることがあります。これは鵞口瘡という一種のカビによるものです。もし口の中で拡がると、乳を飲むのが難しくなります。ですから口の中はいつも清潔にすることを忘れないようにしましょう。
5)皮膚が冷たく硬くなり、体温がひどく下がるときは、初生兒鞏硬症 (kleremma neonatorum)といって弱い子を寒冷環境に晒したときにおこる病気です。このため新生児は寒冷時には十分温かく包む必要があります。
6)胎便のような黒い便が続いたり、胎便の出た後に便が黄色になってもその後にまた黒い便を出したりすることがあります。またその時に黒いものを吐くことがあります。これは新生児黒嘔吐といって、胃腸で出血する重い病気のためです。
7)遺伝梅毒、両親に梅毒があると、流産や早産になるものです。また、生まれた子は弱で、鼻つまりを起こし、口元、耳の根本、腋、股間が爛れたり、身体に発疹が出たり、手のひらや足の裏が腫れたり、皮膚が剥脱したりします。これは生まれたときにすでにそうなっている場合や、数週間から数か月後に表れることもあり、急いで手当てが必要ですが、これを防ぐには母親の妊娠中に施さなければなりません。
8)外見はどこにも異常はないのに、日達が悪いだけでなく、日々身体が小さくなることがあります。これは小児萎縮病という重い病です。
9)新生児の風邪は大人の大病といえます。鼻がつまれば睡眠や哺乳ができなくて、ひどい場合には身体が衰弱したり、死亡したりすることがあります。治りにくい病気では、初期に十分注意がいります。
10) 丹毒といって頭やへその傷口から起き、発熱や傷口が赤くなって少し腫れる病気があります。そのほか病気はいろいろがありますから十分な注意が要ります。
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