33.病気の種類
投稿日 : 2024.10.16
呼吸器の病気
呼吸器の病気には大人と同様に、鼻やのどのカタル、気管支や毛細気管支カタル、カタル性肺炎、急性肺炎、肋膜炎などいろいろあります。
特に小児では、鼻腔や咽頭、気管が皆微小なので、カタルを起こして腫れたり、鼻汁や痰のために少しずつ細く狭くなったりして、呼吸ができないようになります。
また、気管支は短いのですぐに全体に拡がって重症化します。ですから少しでも風邪気味であれば、十分注意して強い風に当てたり、風呂に入れたりはやめましょう。特に冬には注意して、湯気を立て部屋の湿度を高くし、温かにして完全に治るようにしましょう。
風邪は日頃の注意で防げます。夏からあまり厚着をさせず、よく晴れた日には外出させ、大きくなれば海水浴や海水の温浴、冷水で顔や胸を摩擦して、皮膚を強くしましょう。
胃腸病
胃腸病も大人と同様にいろいろあります。
幼い子ほど胃腸の発育が不完全なので、消化の力が非常に弱いものです。特にでんぷん質がこなれにくいのです。さらに胃腸はとても敏感な器官なので、すぐに支障が出ます。したがって、小児には年齢にふさわしい食物を与える必要があるわけです。
特に夏には十分注意が要ります。幼児の胃は大人と違って曲がっていないので、乳を吐きやすい子は胃腸に問題が起きると、急に発熱したり、高叫したり、痙攣をおこしたりすることがよくあります。また、子供によって、下痢をしやすいとか、便秘しやすい癖がある子がいますので注意が必要です。
私は一度便秘のために硬い便が肛門に挟まって痙攣をおこした子をみました。
乳児脚気
乳児脚気は夏によく起こるものです。
多くは哺乳後にすぐに乳を吐きます。また、全身に浮腫ができたり、いつも唸ったりするものです。
この原因は母や乳母が脚気になっていて、それが乳から小児の身体へ移るもので、とても恐ろしい病気です。ですから授乳者の脚気が軽症でも、乳児が重症になることがあります。この場合は医者に相談して乳を替える必要があります。
脳膜炎
脳膜炎は小児病では最悪のものです。
病の初期の幼児は乳を吐いたり青い便を出したり機嫌が悪くなります。
少し大きくなると、激しい頭痛や吐き気を起こします。発熱はあったりなかったりします。そしてついにはひきつけを起こして、昏睡状態になります。
この病気はいろいろあって、結核性脳膜炎、化膿性脳膜炎、そして通常の脳膜炎があります。
結核性のものは、多くは結核にかかっているとか、腺病質の小児にみられるもので、平素から体質を改良しておく必要があります。
化膿性のものは、耳の病気、頭の外傷、湿疹、丹毒などいろいろな原因で起こります。ですから普段からそれらを治療しておく必要があります。
この二つの脳膜炎は非常に危険なもので、まず助からないと思って間違いはありせん。
普通の脳膜炎は、夏におこりやすく、非常に暑いときに、歯が生え変わるときや授乳者が神経過敏になっているとき、小児に悪い食べ物を食べさせたときや、頭を強打したときや非常に驚かせたときに起きることがあり、兄弟がそろってかかることがあります。
ですから歯が生え替わるときには、頭を打撲するとか、驚かせたりすることのないようにして静かに取り扱い、栄養に注意する必要があります。
夏にはできるだけ涼しい場所で過ごさせましょう。授乳者がひどい神経過敏になっていたり、姉弟に同病で死亡した人がいたりした場合は乳を替える必要があります。
腺病
腺病とは、何かと病気にかかりやすく、治りも遅いもので、顔色が蒼白な人もあり、頬薄紅の場合とか、外見皮下脂肪が多いように見える場合や、痩せている人もいます。
首のリンパ腺が腫れたり、頭に湿疹ができたり、風邪にかかりやすく、鼻や耳、目や喉の病気起きやすく、結核を患うもとになる場合があります。
この病気(腺病質)は遺伝的なこともあり、多くは食べ物の不良や悪い空気、日光不足、湿気の多い家に住むことなどで起きます。
ですから、滋養強壮の食事や、住居を清潔に、換気をよくし、日光が入るようにして、山や海岸を散歩させましょう。海辺に家に住んだり、海水の湯に入れたりするのは、非常に効果があります。
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