40.脳と神経

投稿日 : 2024.10.17


小児の神経系(脳やその他の神経)の重さは、体重に対して非常に大きな割合を占めています。脳だけでも、体重を100とした場合、約13~14%にあたります。

また、その発育も非常に急速で、一年後にはすでに大人の脳の半分ほどの重さに達します。

小児の脳や脊髄、その他の神経は、大人に比べて水分と血液の割合が多いため、非常に敏感で病気にかかりやすく、よくけいれんを起こします。そのため、脳の病気にかかりやすい傾向があります。

感覚の発達については、新生児は感度が低いですが、5か月から11か月ごろに最も感度が高まります。したがって、五感に対する強い刺激は、注意して避ける必要があります。アルコールやコーヒーなどは脳に悪影響を与えるため、小児には摂取させないようにしましょう。

視覚

新生児は光に対して眩しがることがありますが、生後3週間を過ぎると、瞼を閉じずに光を見ることができるようになります。第4週目には、光の動きに合わせて眼を動かすようになります。新生児は近視傾向にあり、6か月ごろから視力が普通になります。しかし、就学後には悪い環境が影響し、近視が進行することがあります。生後3週間までは薄暗い部屋に置き、少しずつ日光に慣れさせることが大切です。また、目の訓練として、いろいろな形や色の物を見せて教えましょう。

聴覚

新生児は分娩後、1時間から1~2日の間は音を聞こえないことがあります。その後は急速に発育し、7~8週頃には音のする方向に頭を向けるようになります。小児は大きな音に驚いて不快感を感じ、すぐに泣き出すことがあります。ひきつけを起こすこともあるため、静かな環境を整えることが大切です。特に病気中は、静かにしてあげることが重要です。

聴覚は、歌を聞いたり、音楽を聴いたりすることで発達します。触覚、味覚、臭覚については、最初から備わっています。このように、小児の五感は初めは不十分ですが、身体の成長と外的な刺激によって次第に鋭敏になり、最終的には非常に複雑な心の働きを脳が行うようになります。

知恵の発達は、個々の小児によって多少異なりますが、ジークムント・フロイト(1856年)が提唱した精神性的発達段階を示した以下の表を参考にすることができます。

フロイド.jpg

*筆者参考:フロイトの精神性的発達段階
https://www.verywellmind.com/freuds-stages-of-psychosexual-development-2795962