42.付録

投稿日 : 2024.10.17


1)早婚の害

若くして結婚すると虚弱で早世、身体障害児、知能障害児が生まれるのは学者の確認しているところです。

いろいろな国の結婚年齢は次の通りです。

日本 男子22年10か月 女子19歳4か月

ロシア 男子25年 2か月 女子21年5か月

英国 男子28年 7か月 女子25歳5か月

フランス男子30年 2か月 女子24年9か月

米国 男子30年 9か月 女子28年

スイス 男子31年 1か月 女子28年3か月

このように国によって違いがあるのは法律や風習、生活状況、教育などに関係しています。日本はこの中で最も早く結婚していることになります。なかでも女子は15歳になれば結婚する習慣のある地方もあります。これはぜひ是正すべきです。できれば男子は25歳、女子は20歳より早くないことが望まれます。

2)血族結婚の害

血族結婚は早婚よりさらに害があることはよく知られています。この場合は小児の多くは虚弱で、頭脳障害、言語障害などが多いものです。血族結婚による障害を調べた統計がありあります。

夫婦の関係  結婚例の数  子供の数   健康   不健康  *不健康率(%)
きょうだい     10    32    1    30     94
伯父甥姪      12    52   10    42     81
いとこ同士    630  2891  955  1936     67
2いとこ同士   120   622  360   262     42
3いとこ同士    12    72   42    29     40

このように血族が近いほど不健康な子が多くなり、法律でも近親結婚は禁止されています。

3)妊娠中の養生

妊娠は自然なものですが、また非常に病気が起きやすいので十分養生が必要です。

妊娠中は平素の生活状況を一挙に変えるのは良くないのですが、不衛生なことは改める必要があります。運動や仕事は適当にするのがいいのですが、過ぎないようにしましょう。重いものを持ったり、険しい山に登ったり、悪い道を永く歩いたり、鉄道や車で長旅をしたり、跳んだり走ったりはよくありません。

二階は注意深く上り下りしましょう。また、寝そべってばかりいて運動をしないのはよくありません。毎日新鮮な空気を吸って郊外を散歩するのが非常に望ましい。

心はいつも快活に保ち、悲しみや驚き、怒りなどで激しい刺激、そのような話や、絵画、小説、浄瑠璃などは避けましょう。

また睡眠不足は良くないので、夜は十分安眠しましょう。同衾は慎みましょう。妊娠中はとにかく心身を平穏に保ちしょう。

昔中国では、胎教と言って妊娠中に昔の人の金言や英雄、豪傑の活躍を教えたり、その肖像を今に掲げたりして賢い子にしようとしました。

周の文王の母は文王を孕んだ時、悪いものは見ず、淫声を聴かず、多弁を慎んだので、文王という1を聞いて100を知るような子になり、ついには周の皇帝になったということです。また楠公は母の胎内で神聖な胎教を受けただろうというのは明らかです。

妊婦にとって新鮮な空気はとても重要で、酸素が多いことは妊婦だけでなく胎児にもとても必要です。ですから換気の悪い部屋や寄席、劇場、のような多数の人が集まる場所は避けましょう。

居室の換気には注意して、不完全な暖炉や火鉢のある部屋で閉じこもってはいけません。

身体、住居、衣服、そして食事には注意する必要があります。特に、腰や下腹部は暖かにしましょう。

入浴は快いのですが、海水浴や冷

食事はいつもと同じでいいのですが、食べすぎたり消化の悪いもので胃腸を損なったりしないように。酒や香料は禁止です。

乳房は毎日冷水や温水で周辺を洗い、拭ったのち暖かく保ちましょう。初妊婦で乳頭が小さくて哺ませにくいときは、時々乳頭をつまんで引き伸ばしましょう。もし乳頭が敏感過ぎて痛む場合は、アルコールで消毒しましょう。また皮膚が固い場合は油を塗るように。

妊娠1か月ぐらいで気分が悪くなったり、吐きそうになったり、食べ物の趣向が変わることがよくあります。これは悪阻といって、人によっては全然なかったり、非常に激しくなったりする場合もあります

悪阻は大体1か月から長くても4か月ぐらい続くものです。非常に激しい場合は医者の治療が必要ですが、食後は身体を動かさず、食物も少量を何度もわけてたべましょう。

妊娠中は、妊婦はもとより家族もよく気を付けて、睦まじく風波の起きないように和気あいあいと楽しく暮らして、妊婦に不快を与えないようにしましょう。特に夫は妊婦の苦労をいたわり、すべてに注意しなくてはなりまん。

4)分娩日の計算法

妊娠は平均280日で一カ月を28日とすれば10か月になります。

分娩の時を計算するには、最終の月経日から3か月を引いてこれに7日を足せばでます。

例えば、最終月経が5月1日の時は、これから三カ月を引いて7日を足せば翌年の2月8日ごろとなります。

しかし、これがすべて当たるというものではありません