3.入浴について

投稿日 : 2025.03.03


臍帯が取れた後、初めて湯に入れることを「初湯(産湯)」と言います。

その湯は金気のない清潔な水を使い、温度は摂氏35度から38~39度くらいが適当です。つまり、手や腕を入れてちょうどいい温度が望ましいです。寒い時期には手先がとても冷えて感覚がなくなることがあります。そのような時、手先では適温に感じても、実際には熱すぎる湯に入れてしまうことがあるため、腕を入れて湯をかき混ぜるとよいでしょう。

たらいには清潔で大きな布を敷き、その中に赤ちゃんを入れて、柔らかい布や海綿で体についている汚れを慎重に洗い落とします。その際、オリーブオイルやワセリンを使ってもかまいません。

注意すべき点は、顔や目、口などは別の容器に入れた清潔な湯で洗わなければならないことです。また、目には硝酸銀水で処理した硼酸水を使って洗うのがよいとされています。これは、分娩後数日内に発症することが多い膿漏性結膜炎を予防するためです。

湯から取り出した後は、温かい布でよく湯を拭き取り、暖かい産着を着せて布団に寝かせます。寒い時期には、必ず湯たんぽを使うようにしましょう。

産湯の後は毎日入浴させ、その後は隔日での入浴をおすすめします。

赤ちゃんの頭には油垢がよく出ますが、もし黒い垢のようなものができたら、入浴前にオリーブオイルを塗ってやさしく拭き取ります。もし取りにくい場合は次回の入浴時に取り除くようにし、無理に強く取らないよう注意してください。

入浴時間は6~7分を目安に、長くなりすぎないようにします。また、部屋は風が入らないようにし、温かく保つことが大切です。特に冬場は、風邪をひかないように十分注意が必要です。

入浴中は赤ちゃんの体をよく観察し、できものやただれがないかに気を付けてください。もし熱がある時や風邪をひいている時には、入浴を避けるべきです。

赤ちゃんを風呂場まで連れて行くのは避けた方が良いですが、家の状況により仕方がない場合もあります。

ChatGPT:

この内容は、当時の衛生観念や赤ちゃんのケアに対する知識を反映しています。現代の医学的見地から、いくつかのポイントに対してコメントを加えたいと思います。

産湯(初湯)の温度について:

当時の記載では、湯の温度は「摂氏35度から38~39度くらいが適当」とされています。この温度は現代の基準でも比較的適切です。赤ちゃんの皮膚は非常にデリケートで、熱すぎるお湯は皮膚にダメージを与える可能性があるため、温度には注意が必要です。現代の医学でも、35~37度のぬるめの湯が最適とされています。

顔や目の洗浄について:

「目には硝酸銀水で処理した硼酸水を使って洗う」という記述がありますが、これは現在では推奨されません。硝酸銀は目に強い刺激を与える可能性があり、代わりに眼科医が処方する抗菌剤や、目の洗浄には滅菌水や生理食塩水が一般的に使用されます。膿漏性結膜炎の予防は、現代では新生児用の目薬を使うことで対応します。

オリーブオイルやワセリンの使用:

オリーブオイルやワセリンを使って赤ちゃんの体を清潔に保つ点については、慎重な使用が必要です。現代の皮膚科では、オリーブオイルやワセリンの使用は皮膚が乾燥している赤ちゃんには有効とされていますが、過度な使用は毛穴を塞いでしまう可能性があるため、状況に応じて使用することが大切です。

入浴後の注意点:

赤ちゃんを湯から上げた後に温かい布で拭くことや、暖かい産着を着せることは現代でも非常に重要です。赤ちゃんは体温調節が未熟であり、特に寒い時期には温度管理が必須です。現代では、湯たんぽを使用する代わりに、温かい毛布や室温管理で赤ちゃんの体温を保つことが推奨されています。

入浴時間について:

現代でも、赤ちゃんの入浴時間は5~10分程度が目安とされており、長時間の入浴は皮膚を乾燥させる原因になる可能性があります。記載されている6~7分の入浴時間は適切です。

赤ちゃんの体調管理:

「入浴中は赤ちゃんの体をよく観察し、できものやただれがないかに気を付けてください」というアドバイスは現代でも非常に大切です。また、発熱時や風邪をひいている場合には入浴を控えることが推奨されます。赤ちゃんが体調を崩しているときには、無理に入浴をさせない方が良いです。

風呂場への移動について:

現代では、赤ちゃんを風呂場に移動させることが多くの家庭で一般的ですが、赤ちゃんの安全を確保するためには風呂場の温度管理や滑り止めの対策などが重要です。赤ちゃん専用のバスタブを使用する場合でも、保護者の注意が求められます。

まとめ

当時の育児書に記載された内容は現代でも有効な部分が多くありますが、医学の進歩とともにいくつかの方法や使用する道具が進化しています。現在の医学では、より安全で効果的な方法が確立されており、赤ちゃんのケアに関する知識は日々更新されています。