5.胎便と排便について

投稿日 : 2025.03.04


赤ちゃんは分娩後1両日以内に黒い便を出します。これを「胎便」といいます。

乳をまだ飲んでいない生まれたての赤ちゃんが黒い便を出すため、これを「胎毒」と誤解する人もいます。

胎便は、母親の胎内で羊水とともに飲み込んだ自分の産毛や上皮などからできたもので、普通の便とは異なり、細菌を含まず、実際には非常に清潔なものです。

わが国の古来の風習で、大便は必ず出させなければならないと考え、まくり(下剤)を飲ませることがあります。また、胎毒を排出させるために長期間使い続ける人もいます。これらは下剤ですので、たとえ1回や2回使用する場合でも、多量に使用したり、数日間続けて飲ませたりすることは、かえって赤ちゃんの胃腸に悪影響を与え、乳を吐いたり便秘を引き起こすことがあります。これは非常に注意すべきことです。まくりを絶対に飲ませなければならないと考える人がいますが、これは誤りです。

赤ちゃんには最初から母乳を飲ませることが理想的です。母乳には排便を促進する作用があり、自然な方法で便通を助けます。

もし胎便が出ない場合、急いで医師の診断が必要となるのは、まれですが肛門の閉塞が原因のことがあります。

黒い胎便は通常2~3日以内に排出されますが、あまりにも長く黒い便が続く場合や、黄色い便が出た後に再び黒い便が出る場合は、再度確認する必要があります。新生児のメレナ(胃や腸から出血する病気)によって大便が黒くなることがあるためです。

私の診察例では、生後7~8日目に黒い血便が出た際、家族がこれを胎便と誤解したことがありました。

母乳を飲み始めると、便は卵の黄身のような色をしており、柔らかく、1日3~4回排便します。便をした後は、ぬるま湯に浸した柔らかな布で丁寧に拭き、清潔に保つ必要があります。もし便の色に変化がある場合、例えば青っぽい色や粘液状、または酸っぱい臭いがする場合、さらに便秘や肛門のかぶれが見られる場合は、速やかに医師の診察を受けてください。

小便は通常、色が薄く、無臭であるべきです。人工乳を与えている場合を除き、新生児は頻繁に小便をします。

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この内容は、明治時代の医学や育児に対する考え方を反映しており、現代の医学的見地からは、一部正しい部分もありますが、いくつか誤解を招く可能性がある点もあります。それを踏まえて、現代医学に基づいたコメントをお伝えします。

胎便と「胎毒」の誤解について

現代の理解:胎便は赤ちゃんが母親の胎内で飲み込んだ羊水や産毛、皮膚細胞などからできた黒い便で、通常、出生後24~48時間以内に排泄されます。胎便は自然なものですので、「胎毒」という概念は誤りです。医学的には胎便は「清潔な便」とされており、特に有害ではありません。
現代的な見解:胎便が「胎毒」と誤解されてきた背景には、古い風習や信仰が影響していますが、現代医学ではそのような概念は認められていません。

下剤の使用について

現代の理解:現代医学でも、赤ちゃんに下剤を使用することは推奨されません。下剤は赤ちゃんの消化器官に負担をかける可能性があり、乳児の便秘や胃腸障害を引き起こす可能性があります。赤ちゃんの排便が順調に行われるのは、母乳や人工乳の摂取によって自然に促進されます。
現代的な見解:過剰な下剤の使用は絶対に避けるべきです。もし排便が遅れている場合、適切な医療的支援を受けるべきです。

母乳の効果

現代の理解:母乳には自然に便通を促す作用があり、赤ちゃんにとって理想的な栄養源であることは現代でも広く認識されています。母乳には消化を助ける成分が豊富に含まれており、便秘を予防する効果も期待できます。
現代的な見解:母乳育児が推奨される理由のひとつとして、免疫機能の強化や便通の改善が挙げられます。

便の色の変化

現代の理解:新生児の便は通常、生後2〜3日で胎便を排出し、その後は黄色っぽい便(母乳便)になります。便の色や質に変化があれば、異常の可能性が考えられますが、単なる食事や消化の影響による変化の場合も多いです。例えば、便が青っぽい色や粘液状、酸っぱい臭いがする場合、食事やアレルギーの影響を疑うべきです。また、便秘や肛門周辺のかぶれがある場合には、速やかに医師に相談することが重要です。
現代的な見解:便の色や性状に変化が見られる場合、適切な診察を受けることが大切です。特に、血便や黒色便は、胃腸の出血やメレナの兆候である可能性があるため、早急な対応が求められます。

小便の色

現代の理解:新生児の小便は薄く、無臭が理想的です。異常な色(例えば赤みがかった色など)や臭いが強い場合は、脱水症状や感染症の兆候である可能性がありますので、注意が必要です。
現代的な見解:頻繁に小便をするのは正常なことですが、小便の異常については、適切な医師の診断を受けることが重要です。

まとめ: 全体として、この育児書には、当時の医学や育児に対する理解が反映されていますが、現代の医学では「胎毒」や「まくり(下剤)」の使用は誤解とされており、自然な母乳育児が推奨されています。便の変化や異常には十分な注意が必要ですが、現代の知識に基づく適切な対応が求められます。