12.新生児や小児の体重や身長について
投稿日 : 2025.03.04
子供の体重を知ることは非常に重要です。
わが国では、残念ながら基準を示す統計表がまだ存在しないため、ここではヨーロッパ人のデータを基に、成長に伴う体重の増加について紹介します。
新生児の体重は最初、平均的に男子は3,150g、女子は3,000gで、出産後3~4日間で220g~330g減少します(これは胎便や小便、また乳がまだ十分に摂取できないためです)。
その後、体重は増加し、出生後10日で最初の体重に戻り、その後は毎日増え続けます。増加量は、最初の1ヶ月間で1日あたり27g、次の1ヶ月間で30g、その後は1ヶ月ごとに26g、26g、19g、16g、14g、12g、11g、9g、7g、そして12ヶ月目には6gとなります。
その結果、満1歳時の体重は9,100g~9,450gとなり、分娩時の体重の約3倍となります。
以下に、各月ごとの体重の目安を示します。
- 1ヶ月:4,000g
- 2ヶ月:4,700g
- 3ヶ月:5,350g
- 4ヶ月:5,950g
- 5ヶ月:6,500g
- 6ヶ月:7,000g
- 7ヶ月:7,450g
- 8ヶ月:7,850g
- 9ヶ月:8,200g
- 10ヶ月:8,500g
- 11ヶ月:8,750g
- 満1歳:9,000g
その後、体重は次第に増加し、思春期が始まる11歳頃には急激に増加します。
- 満2歳:11.34kg
- 満3歳:12.47kg
- 満4歳:14.23kg
- 満5歳:15.77kg
- 満6歳:17.24kg
- 満7歳:19.10kg
- 満8歳:20.76kg
- 満9歳:22.65kg
- 満10歳:24.52kg
- 満11歳:27.10kg
- 満12歳:29.82kg
- 満13歳:34.38kg
- 満14歳:38.67kg
- 満15歳:43.62kg
これらの体重は標準的な目安であり、すべての子供がこの通りになるわけではありません。特に、日本人の場合はこれより若干少ないことがあります。ただし、この表と比べて著しく体重が少ない場合、その子供の発育に問題がある可能性があり、何らかの病気が考えられます。
日本での標準体重表はまだ確立されていませんが、これまでの調査に基づく新生児の体重、身長、頭囲、胸囲はおおよそ以下の通りです。
- 体重:男子 2884g、女子 2797g
- 身長:男子 48.8cm、女子 48.1cm
- 頭囲:男子 32.61cm、女子 32.61cm
- 胸囲:男子 31.01cm、女子 31.01cm
欧米人の場合は、
- 体重:男子 3150g、女子 3000g
- 身長:男子 50cm、女子 49cm
- 頭囲:34~35cm
- 胸囲:33~35cm
このように、日本人の新生児は欧米人よりも体重が軽く、それに伴い他の身体的な測定値も小さい傾向にあります。また、6歳から15歳の学童の体重に関しては、学校衛生主事の三島氏による学校衛生調査の報告に基づくと、日本と欧米との間に以下の違いが見られます。(*省略)
このように、日本人は欧米人に比べて小柄であることは残念ですが、昔の日本人も大きかったことは事実です。運動に注意を払えば、成長を妨げるわけではありません。相撲取りも最初から大きかったわけではなく、体を鍛えたことで大きく、力も強くなったのです。
わが国でも体育をおろそかにすれば、将来的には「小さな国」になってしまうでしょう。しかし、最近では学校でも運動が重視され、体育会などの活動が少しずつ行われるようになったことは、非常に良いことです。
父母は子どもの身体と運動の重要性を忘れないようにしましょう。小児の体重測定は必要であり、歯が生え始める時期や離乳期、また病気の際などは体重が増えなかったり、減少することがあります。
目分量で体重を判断するのは不正確で、目視で判断できる段階ではすでに大きな問題が体内にあることが多いです。また、肥満に見えても、実際に計測してみると体重が減少している場合もあります。
健康な子どもも時々は体重を測定して、発育の様子を確認することが重要です。
新生児の体重は、生後7日間は毎日、決まった時刻に測定します。その後は8日ごと、7ヶ月以上の子どもには10日ごとに測定します。小児になると、10日ごとまたは2週間ごとに測定します。
ただし、体重が増えても、その子が必ずしも健康であるとは限りません。十分な体重を持っていても、病気を抱えている場合があります。
ChatGPT:
この内容を現代の医学的視点で評価すると、いくつかの点が注目されます。
1. 体重の増加に関する基準
明治時代の育児書では、体重増加に関する詳細な記録が示されていますが、現代の医療では成長の個人差がより強調されています。現在の医学では、子どもの体重や成長を評価する際に、単純な体重増加だけでなく、身長や頭囲、発達の全体的な進行も考慮に入れることが一般的です。また、体重や成長の目安が必ずしも一律でないことが強調され、遺伝的な要素や環境的な要因(栄養状態、病歴など)によって個別に異なることが理解されています。
2. 体重の減少と増加のメカニズム
新生児が生後数日で体重が減少する現象については、現代の医学でもよく理解されています。新生児が最初に体重を減少させるのは、胎便や体液の喪失、最初の授乳での栄養摂取量の不足などが原因です。その後、授乳が安定すると体重は徐々に増加します。これに関しては現代でも同じように理解されており、体重の増加は栄養供給と体の適応のバランスに基づいています。
3. 成長速度の個人差
育児書に記載されているような、月別の体重増加の指標は、現代でも参考にされることがありますが、現代の医学では「発育曲線」を使って子どもの成長を評価します。この発育曲線は、身長・体重・頭囲などを基にした個別の成長の推移を確認し、異常な変化がないかを見守ります。過度に一般的な目安に従うのではなく、個々の子どもに適した成長のペースを尊重する方が大切です。
4. 日本人と欧米人の成長差について
明治時代の育児書は、日本人が欧米人よりも小柄であることを指摘しています。現代においても、食事や生活習慣、遺伝的な要素が体格に影響を与えることが分かっていますが、日本人の体格は近年改善されており、栄養状態の向上や運動習慣の普及によって、子どもたちの成長は欧米の基準に近づいてきています。しかし、依然として個別の遺伝的な要因が大きいことは理解されています。
5. 運動と発育
育児書で述べられているように、運動が子どもの成長に良い影響を与えることは現代医学でも認められています。運動は骨や筋肉の発達を促進し、全身の健康を支えるために重要です。特に、現代では有酸素運動や遊びを通じた運動が推奨されています。運動不足が発育に悪影響を及ぼす可能性があることから、早期の段階で適切な運動を取り入れることが重要です。
6. 体重測定の重要性
明治時代の育児書では、体重測定が重要であることが強調されています。現代においても、体重やその他の発育指標を定期的に測定することは子どもの健康状態を確認するために重要です。しかし、体重増加が順調であっても、他の健康指標(食欲、エネルギー、活力、精神的な発達など)にも注目することが必要です。現代では、体重だけでなく、全体的な健康状態や発達を観察することが重要視されています。
7. 肥満の認識
明治時代の育児書では、「肥満に見えても実際は体重が減少していることもある」と言及されています。現代でも、肥満の定義は単なる体重の過剰だけでなく、体脂肪率や健康リスクを総合的に評価することが重要です。体重が増加しても、過剰な脂肪の蓄積を伴わない場合、健康に問題がない場合もあります。
まとめ
この育児書は、体重や成長の測定に関する基礎的な理解を提供していますが、現代の医学では、成長や発達の評価はもっと多角的に行われています。個々の発育曲線を基にし、食事や運動、環境、精神的健康など、複合的な要因を考慮することが重要とされています。
「母子手帳」について筆者とAIとの問答は次のページにあります。
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