13.乳児の栄養について

投稿日 : 2025.03.04


乳児の栄養について、母乳は「天然栄養法」と呼ばれ、獣乳(牛乳、ロバ乳、羊乳)や穀物(すり潰した穀物)の類を使う方法は「人工栄養法」といいます。

ここで、乳児にとって忘れてはならないことは、これらの方法の中で、まず第一に天然栄養法を選ぶべきだということです。

母親が妊娠すると乳房が大きくなり、分娩後には乳が自然に分泌されます。これは天から与えられたありがたい賜物であり、母親がその乳によって子どもを育てるべきだという命令を意味しています。

しかし、さまざまな事情によって、母乳を与えることができない場合もあります。その場合、乳母の乳を使うことになります。それも不可能な場合に限り、獣乳を与えることになります。

ところが、母乳よりも牛乳で育てた方が良いと誤解している人が多くいます。これは大きな間違いです。なぜなら、母乳で育てられた赤ちゃんに比べて、牛乳で育てた場合、生後1ヶ月で発育が遅れ、胃腸疾患を引き起こしやすく、また病気にかかると急速に衰弱することがあるからです。

例えば、スウェーデンやノルウェーでは母乳で育てる習慣があり、これらの国々では小児の死亡率が100人に対して10人または12人です。しかし、ドイツのバイエルンやヴュルテンベルクで牛乳や穀物の粉で育てる小児は、100人中85人が死亡するという驚くべき差があります。

幸いなことに、わが国では母乳で育てる習慣が広まっているため、非常に恵まれています。しかし、先に述べたような誤解が続けば、将来的に大きな問題が起こるかもしれません。

もし乳母の乳が不足して困る場合は、昼間は牛乳を与え、夜間に母乳を与えるようにしましょう。新生児に穀物の粉を使った汁を与えることは避けるべきです。新生児はまだ澱粉を十分に消化する能力がないためです。

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この内容について、現代の医学的見地からいくつかの重要なポイントを挙げてみます。

1. 母乳の重要性
母乳が「天然栄養法」として推奨されている点については、現代医学でも強く支持されています。母乳には赤ちゃんの免疫をサポートする抗体や、消化に優れた成分が含まれており、最適な栄養源として広く認識されています。母乳は赤ちゃんにとって消化しやすく、免疫系の発達を助け、病気の予防にもつながります。

現代でも、母乳育児は推奨されていますが、状況によっては人工乳が必要となる場合もあります。母乳が不足している場合や母親が授乳できない場合には、適切な代替手段として人工乳を使用することが一般的です。現代の人工乳は、赤ちゃんの健康を守るために、母乳に近い栄養成分を含むように作られています。

2. 獣乳(牛乳)について
この文章で述べられているように、獣乳、特に牛乳が母乳に劣るという点については、現代の医学でも同意が得られます。生後数ヶ月の乳児は、まだ未発達な消化能力を持っているため、牛乳(特に未調整の生乳)をそのまま与えることは避けるべきです。牛乳は母乳に比べて消化が難しく、アレルギーや胃腸の問題を引き起こす可能性が高いとされています。

現代の医学では、乳児に与える場合、牛乳をそのままではなく、適切に処理された粉ミルクを使用します。また、特にアレルギーや消化器系の問題がある場合は、特別な処方ミルクが推奨されることもあります。

3. 穀物の使用
新生児に穀物の粉を与えるべきではないという点については、現代の小児科医でも同意されています。新生児の消化系は未発達であり、特に澱粉を消化する能力は限られています。穀物を与えることは、消化不良や胃腸トラブルを引き起こす可能性が高く、現在でも生後6ヶ月まで母乳または適切に調整された粉ミルクが最も適切な栄養源とされています。

4. 死亡率の比較
明治時代の育児書では、母乳育児と人工栄養の比較として、死亡率の差が取り上げられています。現代では、死亡率の低下は医療の進歩によるものも大きいですが、依然として母乳育児が赤ちゃんの健康に与える恩恵は大きいとされています。母乳で育てた場合、免疫力が高まり、病気のリスクが減ることが実証されています。

まとめ
明治時代の育児書が述べる内容には、現代の医学の知識と一致する点も多くあります。特に、母乳が最適な栄養源であるという点や、獣乳や穀物の粉が赤ちゃんに適さないという認識は、現代でも支持されています。ただし、現代の医療技術や栄養学は進歩しており、母乳が与えられない場合でも、適切に調整された粉ミルクを使用することで、赤ちゃんの健康を守ることができる点は大きな違いです。