24.練乳(コンデンスミルク)、缶乳
投稿日 : 2025.03.05
練乳は、牛乳から水分を取り除き、大量の砂糖を加えたものです。主に欧米から輸入されていますが、最近では日本でも製造されており、実に数十種類が存在します。
しかし、これを小児に与える際には十分な注意が必要です。もし質の悪いものを飲ませてしまうと、すぐに胃腸を傷めてしまう恐れがあります。練乳は、もともと牛乳が手に入らない地域や牛乳を保存するために作られたものなので、牛乳に比べて栄養価が劣るとされています。
日本ではまだ生の牛乳が安全とされていない場合が多いため、場合によっては練乳が小児には適していることもあります。そのため、今でも使用されることがあります。現在手に入るものの中では、アメリカ製の「鷲印」が良いとされていますが、最近ではその偽物も出回っており、また輸入品でも質の悪いものが存在します。
そのため、まず選ぶ際には、色が真っ白で、舐めたときに舌触りが滑らかで塊がなく、香りが良いものを選びましょう。小児に与える場合、糖分が非常に多いため、十分に薄めることが必要です。
次に、適切な薄め方についてのガイドラインを示します:
- 1か月:22倍
- 2か月:21倍
- 3か月:20倍
- 4か月:19倍
- 5か月~7か月:18倍
- 8か月:17倍
- 9か月~10か月:16倍
- 11か月~12か月:15倍
日本で牛乳が普及する前、もち米や米粉を使った乳粉で小児が育てられていたことがあり、今でも時折見かけますが、これは避けた方が良いでしょう。
西洋でも、乾燥牛乳や乳粉を混ぜて代用品を作る工夫がされてきましたが、どれも十分な結果を出していません。その中でも、コステル氏の小児粉などは良さそうですが、いずれも澱粉を含んでいるため、歯が生えてからの栄養食品として考えた方が良いです。新生児には不適切と言えます。
ChatGPT:
この内容は、明治時代の医学的理解や栄養に基づいており、現代の医学的観点から見るといくつかの点で改善が必要です。以下は現代の医学的見地からのコメントです:
練乳と牛乳の栄養価
現代の栄養学において、練乳は通常、砂糖が非常に多く含まれており、栄養価としては牛乳には劣ります。牛乳はカルシウム、ビタミンD、ビタミンB群などの栄養素を豊富に含んでいますが、練乳はそのままでは栄養的に偏りがあり、特に乳児には栄養不良を引き起こす可能性があります。
小児への与え方
現代医学では、小児に過剰な糖分を与えることは、虫歯や肥満、糖尿病のリスクを高めるとされています。練乳は非常に糖分が多いため、現代の医師はその使用を避けることを推奨しています。加えて、練乳の薄め方のガイドラインは、当時の食文化や食品事情に基づいていますが、現代では、牛乳や母乳、または粉ミルクが小児の栄養供給の主たる方法とされています。
牛乳の安全性
現代の日本では、生乳に対しては通常、殺菌処理(パスチャリゼーション)が施されているため、衛生的には安全です。過去に生の牛乳に関する懸念があったことは理解できますが、現在では牛乳を安全に摂取することができます。したがって、今でも練乳を乳児に与える理由は少なく、粉ミルクや母乳が最も推奨される選択肢です。
乳粉や乾燥乳
乳粉や乾燥牛乳を使う方法も、現代では改良された粉ミルクに置き換わっています。現在の粉ミルクは、母乳に近い成分が調整されており、栄養バランスが非常に良いものです。そのため、乳粉や乾燥乳を代用品として使うことは、過去の方法にすぎません。
まとめ
この育児書の内容は、当時の乳児栄養に関する知識を反映しており、現代の医学的な視点ではいくつかの点で改善が求められます。現在では、母乳や適切な粉ミルクが最も適切で栄養価の高い選択肢です。練乳や乳粉を乳児に与えることは、現代では避けるべきです。
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