35.学校病
投稿日 : 2025.03.06
学校病とは
学校病は、主に就学小児に見られる病気で、就学前の子どもにはあまり見られません。代表的なものには、近眼、脊椎側弯(せきついそくわん)、消化不良、貧血、筋肉の弱さ、頭痛、鼻血、脳神経衰弱などがあります。
近眼
近眼の原因はいくつか考えられますが、例えば、読書や筆記を長時間続けること、印刷が不明瞭な書物を読むこと、部屋が暗いこと、または頭を前に曲げて読書や筆記をすることが影響します。これらに注意が必要です。
脊椎側弯
脊椎側弯は、背骨が曲がる状態です。小児の骨は柔らかく、成長過程にあります。そのため、身体を曲げて筆記をすると、自然に背骨が曲がり、内臓に負担がかかり、一生治らないこともあります。特に女子に多く見られ、普段から身体を曲げる癖がある子どもには、身体に合わない机を使わせないように注意しましょう。
頭痛
頭痛は、脳の充血によって起こることが多いです。脳を使いすぎたり、頭を前に倒したり、首を圧迫したり、または浅い呼吸をすることが原因となります。また、部屋が暑すぎたり、空気が悪かったり、喉や鼻に病気があると頭痛が起きることもあります。これらの原因を取り除くことが大切です。
鼻血
鼻血も、頭痛と同様の原因で起こることがあります。
脳神経衰弱
脳神経衰弱は、神経過敏や思考力の低下、記憶力の減退を引き起こす症状で、多くは小学校高学年の子どもに見られます。原因としては、神経を使いすぎたり、使うタイミングが早すぎたり、不規則に使われることがあります。
例えば、入学を早くさせたり、身体が十分に発達していないうちに入学させることは非常に好ましくありません。精神的な負担が大きすぎると、精神に障害が生じる可能性があります。どんな臓器でも健康を維持するためには休息が必要で、神経も同様です。
学校で授業内容がその子に十分に理解されないまま次の内容に進んだり、理解力が十分でないときにさらに難しい内容を学ばせると、精神的に疲れ、脳の発達が妨げられることになります。その結果、それ以上の理解が難しくなることがあります。
精神的な疲労は、身体、つまり筋肉の運動や遊び、体操、野原の散歩などが不足していたり、栄養不良で起こることもあります。こうした子どもには、適切な運動をさせるとともに、食事にも十分注意を払いましょう。
ChatGPT:
この内容について、現代の医学的見地からコメントいたします。
学校病について 19世紀末から20世紀初頭にかけて「学校病」という概念が存在しました。現代医学においては、このような病名は使われませんが、ここで挙げられている症状や健康問題は、現代でも関心を持たれている事項です。特に、長時間の学習が子どもの体に与える影響は、現代の小児科でも重要な問題として扱われています。
近眼
近眼の原因として挙げられている要因(長時間の読書や筆記、部屋が暗いこと、頭を前に曲げること)は、現代でも大切な予防策とされています。最近の研究でも、近眼の進行に関与する要因として、過度な近距離作業や屋外活動の不足が挙げられています。室内での勉強の際には適切な明るさが必要であり、定期的な休憩や目の体操が有効とされています。また、外での活動が近視予防に役立つとの見解もあります。
脊椎側弯(せきついそくわん)
脊椎側弯についての指摘は、現代でも大変重要な問題です。特に座る姿勢や机の高さが影響を与えることは、現在でも注意されています。姿勢の悪さや身体に合わない机を使用することが、骨格の発育に悪影響を与えることがあり、成長期の子どもにとっては特に注意が必要です。現代では、エルゴノミクスに基づいた学習環境の整備が推奨されています。
頭痛
頭痛の原因として挙げられた「脳の充血」「姿勢」「呼吸」などは、現代医学でも理解されている問題です。頭痛にはさまざまな原因があり、例えば緊張型頭痛や偏頭痛などが一般的です。また、ストレスや不規則な生活が関与することもあります。部屋の換気や温度調整、適切な姿勢を保つことは、頭痛の予防に重要です。
鼻血
鼻血が頻発する原因として、乾燥した空気や鼻をこすることが影響します。また、過度なストレスや健康状態(高血圧や血液の凝固異常など)が関与することもあります。現代では、室内の湿度管理や適切な加湿が鼻血の予防に効果的とされています。
脳神経衰弱
脳神経衰弱は、現代では「神経症」や「精神的疲労」として理解されており、過剰なストレスや無理な学習が心身に悪影響を及ぼすことが知られています。特に、過度のプレッシャーや学習負担が子どもに与える精神的な影響については、今でも注意が必要です。学習の進度や内容の適切さは、子どもの発達に大きく影響します。
精神的疲労
体を使った遊びや運動の重要性について言及されていますが、現代でも子どもにとっての運動や遊びは心身の健康を維持するために欠かせない要素とされています。特に、屋外での活動や運動が精神的な健康にも寄与することが多くの研究で示されています。食事の栄養バランスについても同様に、精神的な健康や成長において重要です。
まとめ
この育児書の内容は、現代医学においても有益であり、特に子どもの発育と健康を支えるために必要な基本的な視点が盛り込まれています。過度の学習や精神的な負担を避け、バランスの取れた生活を送ることが子どもの健康維持において非常に大切であることは、今も昔も変わらない重要なポイントです。
スマートフォンやタブレットの長時間使用の効果についての問答は次のページにあります。
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