38.保母について
投稿日 : 2025.03.06
保母を選ぶのは、乳母と同様に難しいものです。
選ぶ際の目安としては、生まれつき親切で穏やか、賢く、清潔を好む人物が望ましく、また、結核やトラコーマ、疥癬などの伝染病にかかっていない人を選ぶ必要があります。さらに、一般的な教育を受けた人が望ましいです。
世の中には、困った行動をする子守や抱き乳母も存在します。
例えば、小児に好かれようとして、あるいは泣き止ませようと、消化の悪いお菓子を与えて胃腸を悪化させたり、両親が見ていないところで暴力を振るったり、疥癬を移したりすることがよくあります。
そのため、父母は選び方だけでなく、これらの点に注意し、子どもの保護方法についても指導する必要があります。
ChatGPT:
内容を現代の医学的視点から評価すると、いくつかの点で重要な洞察がありますが、同時に改善すべき点も見受けられます。
良い点
選定基準の重要性:
「親切で穏やか、賢く、清潔を好む人物が望ましい」とありますが、これは現代でも非常に重要な基準です。乳幼児や小児にとって、温かく穏やかな環境が心理的発達に良い影響を与えることは、現代の発達心理学でも確認されています。
清潔についての指摘も現代の感染症予防の観点からは非常に適切です。乳児は免疫システムがまだ未熟であるため、清潔な環境を保つことは重要です。
感染症への注意:
「結核やトラコーマ、疥癬などの伝染病にかかっていない人を選ぶ必要がある」という点は、現代医学でも感染症の予防として非常に重要です。特に、結核や伝染病は免疫力が低い乳児にとって大きなリスクとなります。
不適切なケアに対する警戒:
小児に消化に悪いお菓子を与えたり、暴力を振るうなどの行動について警告をしている点も有益です。現代でも、栄養学的に不適切な食品を与えることは、子どもの健康に悪影響を及ぼすことが知られています。また、虐待に関する注意も大切な観点です。
改善が望まれる点
「賢く、教育を受けた人物」:
明治時代の文脈では「教育を受けた」とありますが、現代ではより具体的に「育児に関する知識」や「子どもの発達に関する知識」を持っていることが重要視されています。現代では、保育士や子育て支援の専門的なトレーニングを受けた保母が望ましいとされており、単なる学歴や「賢さ」だけではなく、育児に関する実践的な知識と技術が重要です。
暴力に関する言及の不足:
「暴力を振るう」という行為を非難していますが、現在では「身体的暴力」だけでなく、「心理的虐待」や「ネグレクト」など、さまざまな形態の虐待が認識されています。現代の育児書では、これらの虐待の兆候を見逃さないよう、保母や親に対するより具体的な指導が求められています。
栄養面でのアドバイス:
消化の悪いお菓子を与えることについて警告していますが、現代では乳児や幼児には栄養バランスを考慮した食事が推奨されています。例えば、乳児には母乳や適切な粉ミルク、離乳食では成長に必要な栄養素を取り入れることが重要です。
まとめ
明治時代の育児書におけるアドバイスは、当時の社会的・医学的な知識を反映しており、現代の育児に関しても今もなお有効な部分がありますが、現代の医学的知識や育児の視点から見ると、特に教育や虐待に関する理解が深まっていることがわかります。
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