３９．骨や筋肉の発育と養生

小児の骨は血管が多く、柔らかくて曲がりやすく、また病気にもかかりやすいものです。また、筋肉も非常に弱いです。

幼児が立ち上がったり歩き始めたりする時期は、発育の状態によって早かったり遅かったりします。立つのが早い子は生後5～6か月ごろから、歩き始めるのは満1歳前後が一般的ですが、8か月で歩く子もいます。

以下に発育の目安を示します。

骨や筋肉は小児の発育に合った方法で養生することが重要です。母乳で育った子どもの方が、人工乳で育った子どもよりも歩き始めるのが早いことが多いです。

また、身体や手足が自由に動かせるように配慮することも大切です。

乳児の骨や筋肉は非常に弱いため、生後5か月まではできるだけ横抱きにし、長時間の縦抱きは避けるべきです。また、無理に座らせたり、起こしたり、歩かせたりすることは避けましょう。すべては自然の成り行きに任せるのが最善です。

ただし、這い始めた時期には落ちないように注意し、つかまり立ちや歩き始めた際には危険を避けるための配慮が必要です。

小児の手足は弱いので、無理に手を引いて起こすことは危険です。

小児を起こす際は、必ず両手をわきの下に入れてサポートしましょう。

年長の子どもには、空気がきれいでほこりの少ない、樹木の多い場所で体操やボール投げなどの適度な運動を行うことが必要です。

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これは、明治時代の医学的知識を反映しており、現代の視点からいくつかの点について再評価することができます。以下に、現代の医学的見地からコメントを加えます。

1. 骨の発育について
明治時代の記述では、小児の骨は「柔らかくて曲がりやすく、病気にもかかりやすい」とされています。現代の理解では、小児の骨は確かに成人よりも軟らかく、成長過程で骨密度が増していきます。しかし、現代では骨の発育に関する知識が進んでおり、骨はしっかりとしたカルシウムの摂取、適度な運動、日光によるビタミンDの合成を通じて強化されることが分かっています。また、骨が「曲がりやすい」といった点についても、適切な運動と栄養が骨の健康に寄与することが強調されています。

2. 発育の目安と歩行開始時期
「生後5～6か月で立ち、満1歳前後で歩き始める」という記述は、現代でも一般的に受け入れられている範囲内です。ただし、歩行の開始時期は非常に個人差が大きく、早ければ8か月で歩くこともありますが、遅くても2歳を過ぎることがあります。このような発育の差は、個々の遺伝的要因や環境要因、そして筋肉や神経の発達状態に影響されるため、必ずしも早い方が良いわけではないことが現代の育児方針では強調されています。

3. 母乳と人工乳
「母乳で育った子どもの方が歩き始めるのが早い」という記述は、ある程度現代でも支持されている部分があります。母乳には免疫物質が豊富に含まれており、また母乳栄養が発育に寄与することが多くの研究で示されています。しかし、人工乳でも十分に発育することができること、そして子どもの発達には栄養だけでなく、愛情や環境も重要であるという理解が現代の育児では一般的です。

4. 乳児の抱き方
「生後5か月までは横抱きにし、長時間縦抱きは避けるべき」との記述は、現代の小児科でも推奨されています。これは、赤ちゃんの首や背中の筋肉がまだ弱いため、縦抱きや無理な姿勢で赤ちゃんを支えることが筋肉や骨に負担をかける可能性があるためです。現代の育児でも、赤ちゃんが首を自分で支えられるようになるまでは、横抱きや、サポートをしっかりとする方法が推奨されています。

5. 無理に座らせたり歩かせたりしない
「無理に座らせたり、歩かせたりすることは避けるべき」という部分も、現代の育児においては基本的に支持されています。特に、赤ちゃんの発育においては、自然なペースでの成長が重要であり、無理に早い段階で座らせたり立たせたりすることは、筋肉や関節の発達に負担をかけることがあります。現代では、赤ちゃんの身体的な発達に合わせたアプローチが推奨されています。

6. 安全対策
「つかまり立ちや歩き始めた際には危険を避けるための配慮が必要」というアドバイスも、現代では非常に重要です。赤ちゃんが歩き始めると、転倒や事故のリスクが高くなるため、安全な環境づくりが必要です。家具の角を保護するためのクッションや、転倒を防ぐためのマットなど、現代では家庭内で赤ちゃんを守るためのアイテムが豊富にあります。

7. 適度な運動
「年長の子どもには適度な運動を行うことが必要」という点は、現代の育児方針にも合致しています。運動は身体の発達を促進し、健康を維持するために重要です。現代の医学では、特に屋外での活動や遊びが、子どもの成長に大きな役割を果たすことが理解されています。

まとめ
この育児書の内容は、当時の医学的知識に基づいていますが、現代ではさらに多くの知識と理解が進んでいます。特に、子どもの発育に関しては、個別性を尊重し、自然な成長のペースを大切にすることが現代の育児の基本です。また、安全性や発育を支える環境づくりにも力を入れることが、現代の育児で強調されています。