6-a 補足
投稿日 : 2021.06.23
「モーペルテュイの原理」では、次のSが最小になるように物体は運動します。この積分の()の中は運動エネルギーでした。
運動エネルギーは全エネルギーEからポテンシャルエネルギーUを差し引いたものですから、この積分の中の部分は速度vを とすると、次のように書き直せます。
ここで距離の尺度を適当に変えると、距離も、エネルギーも形が変わるはずで、その量を´を付けて表すことにします。ただ、質量や時間の刻みは変わりません。そうすれば上の関係式は次のようになります。この二つの数式でmは共通ですので、両方の式を合体すると、次のようになります。
長さの尺度だけを変えているので、次の関係は保たれています。
ここで特に とという関係式が成り立つ場合をとりあげ、更に、 または という関係があるとします.
そのような特別の場合に限ると、次の関係が得られます。 と
そうすると、この場合、次のようなポテンシャルが導かれます。
ここで、見やすくするために、エネルギーの基準をずらせて、E=4,E’=-1/4と置けば、U(r)が復元力を生むポテンシャル、U(r')が重力ポテンシャルをあらわすことがわかります。
これは、二つのポテンシャルが見かけ違っても、その違いは私たちがいつも同じ長さの単位を使っているためで、それを適当に決めてよければ、相互に変換が可能な関係にあることがわかります。
このような性質を光学に応用する分野は「Transformation Optics」と呼ばれて研究が行われています。その様子は例えば、次の総説から知ることができます。
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