4月のエッセイから(補足)

投稿日 : 2022.04.26


4月23日 乗客26人の知床観光船が沈没する惨事が起きました。このニュースはMRF24でも写真入りで報道され、ポーランドの隣国チェコのニュースサイトでも詳しい写真と共に掲載されました。この事故は荒波を無視して観光船を出港させたためといわれ、岩場に衝突したのではと伝えています。この事故は波を甘く見た人災です。

一方、ウクライナの戦争は多くの市民にとっては最悪の人災です。Bogdan Frymorgenはこの責任者に対して厳しく、文学的に糾弾しています。

チェコのインターネットニュースウェブサイトSeznamZprávyには、イヴァ・シュパチュコヴァ(Iva Špačková)という経済ジャーナリストが、”Putin vrací Rusko do 20. století. Nesmí nás strhnout s sebou(プーチンはロシアを20世紀に戻そうとしている。私たちは、それに引きずられることなく)”という意見記事を掲載しています。

彼女は簡潔にこの戦争が起こされた理由を述べています。過去の苦い経験を踏まえたヨーロッパの人々の考えを素直に表していると思いました。そこで参考のために機械翻訳をもとに邦訳してみると、およそ次のようになりました。原文はタイトルにURLをリンクしたとおりです。

『 ロシアのプーチン大統領は、ロシアが世界中から深い尊敬(respect*機械翻訳では尊敬となりましたが、むしろ「関心」と訳した方が適当ではないかと意訳してみました)を集めていた超大国であった前世紀を必死に懐かしんでいます。そもそも関心は自然に集まるものであり、その背後には強制されることなく生じる本質的な賞賛があり、その状態が関心を呼ぶのです。しかし、それは恐怖と専制政治を広めることによっても得ることができますーそして、それは恐怖と呼ばれるのです。

前世紀のロシアは、どちらの意味でも関心を集めていたのです。たとえば、革命、収容所、血まみれの粛清、「悪の」アメリカの核兵器で焼け野原になるという恐怖など、その程度に応じて恐怖が生まれました。一方、文化、第二次世界大戦の終結への多大な貢献、スポーツの功績、人類初の宇宙飛行に代表される技術的進歩などで大きな関心が寄せられました。

プーチンはこの関心を呼ぶ状態を取り戻したいと思っています。しかし、何年にもわたる大変な努力の末、自然にそうすることができなかった結果、彼はより簡単で恐ろしい解決策、つまり恐怖を煽ることに手を染めているのです。人生は永遠ではない、今欲しいものを手に入れなければ一生手に入らない、とますます強く感じていらだっているのです。自作自演も気にしません。権力への執着から、ウクライナに戦争を仕掛け、核兵器で脅すことも躊躇しません。非常識であり、恐ろしいことであり、非難されるべきことです。

しかし、ひとつ彼が忘れていることがあります。20世紀には、人々は自分たちの自由を守る経験が少なかったので、恐怖を広めることによって世界に影響を与えることができました。しかし、今世紀になって自由を味わった国々の住民は、もはやそれを望んでいないのです。

プーチンは前世紀に戻って自分が軽蔑する人々の領土を平らにし、恐怖と恐れを引き起こすことができます。そして逆説的に、核攻撃を阻止する代わりに、自ら核攻撃を脅かす存在になることさえあります。残念ながら、誰も彼を止めることはできません。

しかし、ヨーロッパ(*人)は彼と一緒に時間をさかのぼり、従順な立場に引きずり込まれる必要はありません。もし自らを守らなければ、その間に得た素晴らしいもの、意味のあるものをすべて失ってしまうことを知る経験と強さがあります。人々は、品位に欠けるビジネスから手を引き、自分が最も大切にしているもの、つまり自分自身の自由、尊厳、誇りを守るための経験を持っています。

ヨーロッパ人は、ロシアとプーチンは20世紀に戻ってもらって、自他を尊重する現在の21世紀を自信を持って持続していくのだと思います。しかし、これには大きな犠牲、少なくとも経済的な犠牲がなければ実現しません』

『プラハの春』を経験した人々の自信と強い願望を感じました。彼は波の変化を見誤ったのでしょうか?

『品位に欠けるビジネス」として彼女が何を指しているかを想像する価値がありそうです。