4月も後半にはいり

投稿日 : 2022.05.08


戦争は続いています。日本のTVでは戦場の惨劇はどこか控えめに報じられています。そうして、もっとも聴きたいこと、「若い命が刻々と無造作に失われる状況をどう速く終わせるか」という微妙な問題についてはどうでしょう。戦法や兵器の説明ではないのではと思うこのごろです。

4月22日 Na dłuższą metę
こんな文章が見つかりました。

”Walki przeniosły się za Dniepr. W wyobraźni przeciętnego Europejczyka to daleko. Tam, gdzie siano bezkresne łany zbóż, teraz żniwo zbierać będzie wojna. W dodatku nie detalicznie, hurtowo! To będzie bitwa na wzór tych z II wojny światowej. Na początku zabrzmi artyleria. Deszcz pocisków wzburzy morze krwi. Potem czołgi jak kombajny pójdą w pola, a niebo zachmurzy się samolotami. Natarciom i kontratakom nie będzie końca”

こんな感じに訳してみました。

『戦闘はドニエプル川を越えて移動しています。一般的なヨーロッパ人の想像では、これは遠い場所の話です。果てしなく広がる穀倉地帯に、戦争は今、収穫期を迎えようとしています。しかも、小売(小規模)ではなく、卸売(大規模)で!  第二次世界大戦のような戦いになるでしょう。最初は大砲が鳴る。砲弾の雨は血の海をかき乱す。そして、戦車はコンバインのように畑に入り、空は飛行機で曇るのです。攻撃と反撃に終わりはありません』

記事にはウクライナのいろいろな地名が出てきます。しかし、筆者にはキエフとかオデッサぐらいは知っていても、距離感がさっぱりピンときません。そこで日本と当地の地図を同じ縮尺で比べてみました。因みにウクライナの面積はおよそ60万平方キロ、日本の面積はおよそ38万平方キロだそうです。japan4.jpg

キーウ(キエフ)とモスクワの直線距離は東京から鹿児島とか稚内、そしてウラジオストックほどになるようです。そしてキエフから一番近いベラルーシとの国境までは東京から前橋ほどでしょうか? そんな近くからロシア軍が越境してきたのでしょう。

キエフから激戦が続いて大勢の一般人が現在進行形で犠牲になっているマウリポリとは東京と広島ぐらいの距離です。キエフの人々から見るとすぐ近くのことでしょう。広島に原爆が投下されたとき、東京の人々はどう感じていただろうと思いました。

こんな文章もあります。
” Do Donbasu ściągnięto ok. 20 tys. najemników z Bliskiego Wschodu. Otrzymują od 600 do 3 tys. dolarów miesięcznie w zależności od doświadczenia. Ale pozbawieni są jakiegokolwiek wsparcia ciężkiego sprzętu. Są zwykłym mięsem armatnim za pieniądze. Ich zadaniem jest jak najszybciej zdobyć kawałek ukraińskiej ziemi. Byle był dowód. To desperacki ruch Kremla w jednym tylko celu - by w Moskwie pochwalić się zwycięstwem 9 maja”

『ドンバスには、中東から約2万人の傭兵が引き抜かれている。経験に応じて月600ドルから3,000ドルの報酬を受け取ることができます。しかし、重機のサポートは一切奪われている。彼らはお金のための大砲の餌に過ぎないのです。彼らの仕事は、ウクライナの土地を一刻も早く手に入れることです。証拠さえあれば。これは、モスクワで5月9日の勝利を自慢するためだけの、クレムリンによる必死の行動です』

4月24日 Wielkanoc za wschodnią granicą
4月26日 Powrót do przyszłości
4月27日 Zdobędą wiosnę!   
"Ukraina produkuje zboże dla jednej piątej naszego globu - nazywana jest nawet największą spiżarnią świata. Niektóre rozwijacie się kraje polegają na tym imporcie prawie w stu procentach. Jeśli, jak się oczekuje, zbiory w tym roku będą znacznie niższe, wzrosną nie tylko ceny.W apokaliptycznych wizjach człowiek walczy o dostęp do wody. Już teraz fechtujemy gazem i ropa naftową jak niegdyś dzidą. Na tym nie koniec. Przesypujące się przez palce pachnące, brązowe ziarenka mogą być również przyczyną wojen. Ludzie głodni stają się zdesperowani, a stąd już tylko krok do bycia niebezpiecznym - człowiek, by jeść, zrobi wszystko. W tym sensie ukraińskie zboże zapewnia kuli ziemskiej bezpieczeństwo. Dlatego nie tylko czołgi mają do wykonania tej wiosny w Ukrainie zadanie. Także kombajny"

『ウクライナは地球の5分の1を占める穀物を生産していて、世界最大の食料庫と呼ばれているほどです。途上国の中には、ほぼ100%輸入に頼っている国もあります。黙示録的なビジョンでは、人間は水へのアクセスに苦労しています。もう、ガスや石油を槍玉にあげているようなものです。これで終わりではありません。指からこぼれる香ばしい茶色の粒も、戦争の原因になることがあります。飢えている人は自暴自棄になり、危険の一歩手前まで行ってしまいます。人は食べるためなら何でもするのです。その意味で、ウクライナの穀物は地球の安全を守っているのです。したがって、この春ウクライナで必要なのは、戦車だけではありません。コンバインだっているのです』

4月28日 Pędzlem malowane
イリヤ・レーピンの作品をとりあげた時評です。

4月29日 Pszczoła ukąsi
マンハッタン計画を遂行した物理学者オッペンハイマーが登場します。

4月30日 Powtórka z przeszłości?  過去の繰り返し?

ここで著者はロシアのクラスノヤルスク議会の農業委員会の責任者が、ウクライナの占領地域で食糧を徴発し、ロシアの奥地まで輸送することを提案したことをとりあげています。しかし、1930年代、スターリンの政策によって、一年間にウクライナ人がおよそ400万人が餓死などで殺され、母親が我が子を食べることもあったことが触れられています。今年3月の東京23区の人口はおよそ966万人、女性がおよそ493万人、男性が470万人ほどだそうですから、恐るべき数です。それに似たことを21世紀の今になってなお話題に出来る感覚は、潜在的に残っているものなのでしょうか?

ほぼ毎日掲載される元のエッセイを逐一追うことはとてもできずに、5月8日の今、筆者はようやくこの拙文を書きました。そして明日はロシアの記念日、何が起きるか世界中がかたずをのんで見守っています。5月のこの一週間の記事とどのようにまとめられるでしょうか?