Jan Holzerの視点(その5):『孤独な権威主義者』

投稿日 : 2022.05.27


Když se vrátím o kousek zpátky: Putin je tedy přesvědčený, že chrání identitu moderních autoritářů – Ruska, Číny, Íránu – proti liberálnímu Západu?

『少し話を戻すと、プーチンは、リベラルな西洋に対して、ロシア、中国、イランといった近代的権威主義者のアイデンティティを守っているのだと考えているのでしょうか?』


『そう、彼は文化的・文明的なアイデンティティを守るためととらえている。16世紀以来、ロシア社会の一部では、モスクワは第三のローマと信じられてきた。この連続性は何世紀も前からあり、ユーラシア主義や正統派のアイデンティティと結びついている。ロシア人は、自分たちの宿命と例外的な存在性、そして何よりも自分たちの文明的使命を確信している。彼らの考えでは、西洋は迷走してキリスト教的アイデンティティを失ったが、それは単に宗教的な次元の話ではない。伝統や過去の世代とのつながりが失われて個人化し、集団意識を失ってしまった。しかし、今、それは間違いのない真実ではなく、これらの価値観を共有できる勢力がまだ西洋に存在することが判明した。しかし、ロシア人にとっては、21世紀になった今でも確かに動員力のある基本的な集団てき動機になっている。私はバカにできないと思っている』

Říkáte, že se Putin spletl s odhadem protivníka. Mám pocit, že tohle slyším téměř u každé války. Člověk by řekl, že se dá poučit.
『プーチンは敵の見積もりを間違っていたといわれますね。ほとんどすべての場面でそのように聞いているような気がします。学習ができていると思われますか』

『歴史に学ぶという原則! 気の利いた話はほとんどないですね。でも、もちろん信じていますよ! 私は歴史家でもあります。それが、私のプロとしての力量につながるのです。私たちが学生に昔のことを話すのは、そこに現在につながる何らかの教訓があると想定しているからです。基本的な教訓的なものを。

しかし、たとえ話は正確ではないのです。ある特定の状況になると、最終的に孤独にになってしまうのです。そう、私は専門家ではないのですが、ロシアは軍事的な問題で、彼らのシナリオの根底にある誤りを繰り返しているのです。沼地で溺れるドイツ国防軍を嘲笑うように思いだし。そして、ウクライナからの映像で、泥の中に立っている数台の戦車をウクライナのトラクターが引き揚げているのを見て、思わず笑い出してしまう。ここでは、歴史が幻想的に作用しています。

彼らは、モスクワに火をつけてナポレオンの役に立たなくしたことや、有名な大軍の数パーセントを取り戻したことを、頭の中に深く刻んでいるに違いないのです。これは、ロシアの記憶の中で大きな意味をもっています。でも、それと同じような間違いを犯してしまうのです。なんて言ったらいいんでしょう』

Rusové výsměšně vzpomínají na wehrmacht, jak se utopil v bažinách. A pak vidíte, jak tam stojí pár tanků v blátě, vytahují je ukrajinské traktory a musíte se smát.
『ロシア人は、沼地で溺れるドイツ国防軍をあざ笑うかのように回想する。そして、ぬかるみに埋まっている数台のロシアの戦車をウクライナのトラクターが引き揚げているのを見て、笑うしかない』

Vás ty chyby nepřekvapují?
ミスしても驚かない?

ここで博士は、現状から得られる教訓として、非民主的な政権では物事の決定が素早く合理的にできるのに反して、民主的政権では決定に時間がかかるものだと昔からいわれてきたが、不思議なことにそうではなさそうだ、短期的にはそうかもしれまいが、中長期的にはこの古い思い込みは通用しないとのべています。