8 またまたビックリ

投稿日 : 2021.06.14


色の変化の原因を暗示する例が偶然みつかりました。またまた、ビックリでした。これは一つの典型的な例でしょうが、多くを想像する上で役に立ちそうです。

ある個体でこんなことが起きたのです。UVを当てた様子を順に示します。fig-closingxx.jpg

エタノールで心拍が止まってときの様子がAです。それから小一時間すると、背中から後ろに見える黒い模様がはげ落ちていきます(B)。この個体ではこの段階ではまだ脚が少し動いています。また体の大きさがすこし膨れたように見えます。さらに、上側にみえる角状管の付け根あたりが少し光始める様子があり、時間が経てばそれが顕著になります(C)。この頃には、脚は動かなくなっています。fig-closing2.jpg

さらに時間が経てば、背中の模様も薄れ、後ろの方には光る部位が沢山現れます(D)。これが筆者が最初に古代遺跡から発掘した装飾品のような色だと驚いた美しい光景で、それが再現しました。この状態は数時間続きますが、その間に色が部分的に変わっていく傾向が見えます。これは動画で記録していたのですが、その後ある時を過ぎると突然劇的な変化が後ろの下側の角状管のあたりから起きるのが早送りにするとわかります。DとEで、下側に見える角状管の付近を比べるとわかります。つまり、透明感がなくなるのです。その変化はFから、次の写真のように時計回りに拡がっていきます。fig-closing4.jpg

つまり体が少しずつ不透明になって、最後にはほとんど光が透らなくなるように見えるのです。この変化が体の内部で起きているのか、表皮(昆虫の場合の名前は何と呼ばれるのかは分からないので、取敢えず表皮と呼びます)で起きているのかは分かりませんが、筆者の印象では内臓部分ではなく表面組織のように感じました。

それを暗示するような部位がみつかりました。